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学習障害・AD/HD (発達生涯)

発達障害とは

 主な発達障害に、学習障害注意欠陥多動性障害(AD/HD)広汎性発達障害などがあります。これらはアメリカ精神医学会が編集し、世界的に広く使用されている「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-IV-TR)」において、別々の疾患として定義されています。一方で、学習障害の場合、同時にAD/HDももっているというように、他の発達障害も併発していることがあります。

 どの発達障害も生得的なもので、幼い時期からその兆候が見受けられます。標準的な発達を遂げている子どもと比べて、発達障害をもつ子どもの学習態度や行動が良好でない場合、親の教育やしつけが悪いためだと誤解されがちです。そのため、多くの親御さんは、辛い思いをしている場合が多いようです。また、発達障害をもつ子ども自身も、周囲の無理解により不毛な叱責を受けることで、自尊心が傷ついている場合があります。

 発達障害の原因は、親御さんに問題があるからでも、まして子ども自身のせいでもありません。ただし、発達障害を早期に発見し、適切な対応をするための努力は、親御さんに期待されます。

 発達障害は生得的なものであり、一生を通して、それ自体が完治するという種類の疾患ではありませんが、より良い療育環境で、その子どもなりの発達を促すことで、障害というよりも個性として適応していく可能性があります。

 当院では、子どもの視覚的な認知能力を通して、発達のあり方を見出すことに努めています。予約制で検査を承りますので、ご希望の方は当院までご連絡ください。

視覚認知発達検査

 親御さんだけではなく、教育関係者の方々も、ご遠慮なくお問い合わせください。

診療時間/アクセス

 

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学習障害
   (learning disabilities:以下 LD)

  日本におけるLDの概念は、1999年7月の文部省(現在の文部科学省)により「学習障害とは、基本的には全般的な発達に遅れは無いが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害はその原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定される。」と定義されています。

 ちょっと難解かもしれませんが、要するにLDは、知能は標準的なのに、学校で求められるような課題処理能力のバランスが悪い状態です。そしてLDの原因として、中枢神経系、つまり脳内の機能に問題があるといわれています。

 LDの「D」はディスアビリティ(disabilities)の頭文字で、日本語では障害と訳されますが、本来は、何かが円滑に機能せずうまくいかないような状態を意味します。

 聞いて理解する、まとまった会話として相手に話す、書物を読解する、漢字などの文字や言葉を習得して書き表す、数字を計算する、物事の概念を培い、それを応用して新しい物事に対処するといった能力のうちの一つ、あるいは複数が極端に苦手な状態がLDと言えるでしょう。

 LDが理解されにくい傾向があります。全体的な知能は標準的なために、潜在的な能力の偏りに気づかれにくいのです。
たとえば、視覚情報処理に問題を抱えていると、話して聞かせれば理解できるのに、文字が認識しにくいために、自分で本を読むことが困難であったり、聴覚情報処理に問題を抱えていると、反対に読んだり見たりすれば問題なく理解できるのに、聞いただけでは情報として入力ができないというように、LDをもつ子どもは、その個人によって様々な特徴があります。

 前者の視覚情報処理に関しては、視覚認知発達の問題であり、当院での発達検査をお勧めします。後者に関しては、言語聴覚士さんとの出会いが期待されます。

 いずれにしても、こうした学習能力のバランスの悪さから、周囲は、どうして時には難しい課題ができるのに、ずっと簡単なこの課題はできないのだろうと不思議に感じることがあるかも知れません。不思議なままでは、どのように教育したらよいのか確信が持てません。
早期に、その子どもなりのLDの特徴をつかんであげることが、必要です。得意な能力、あるいはサポートが必要な能力を見極めることが、その後の教育を効果的にします。

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注意欠陥/多動性障害
  (Attention Deficit / Hyperactivity Disorder:以下AD/HD)

 AD/HDは「不注意」「多動性」「衝動性」の3つを中心的な特徴とする発達障害です。この特徴は人により現れ方や程度が様々で、DSM-IV-TRではさらに傾向別に3つの特徴の「混合型」「不注意優先型」「多動性−衝動性優先型」の3型に分けています。

 どの特徴も、時として標準的な子どもでも在り得ることなのでAD/HDは、なかなか発達障害として理解されにくい傾向があります。しかしAD/HDをもつ子どもの不注意、多動性、衝動性から派生する感情や行動は、顕著で頻繁に状況を選ばず現れますから、毎日接する親御さんや、大概の学校の先生は、何かが標準的ではないと感じていることが多いようです。

 ただし、現実的には、子どもの問題に関して、両者とも言い出しにくいという現状があるようです。親御さんは、もし、学校の先生に話して、理解されなかったらどうしようと不安ですし、その逆もあるようです。こうした発達障害に関して、今後のさらなる啓蒙が期待されます。

 AD/HDの原因は、脳神経細胞(ニューロン)間の神経伝達物質であるドーパミンが大脳の前頭葉で、代謝活動が低下しているとされています。つまり、前頭葉がうまく働かないのです。前頭葉には、外界を認知したり、自分自身を自己観察する働きがあります。そして、意志をもち、計画を立案し、目的を遂行し、効果的行動をとるといった実行機能をつかさどります。
したがって、AD/HDをもつ子どもは、周囲を適切に観察し、それにふさわしい自分の行動をイメージし、適切な時にそれを行動に表すことが苦手です。  

 こうして、AD/HDをもつ子どもは、ともすると不必要な時に自分のしたい事はできるのに、すべきときには起動しないといったことになりがちです。周囲から見ると、成すべき事への努力を怠っているように見えますが、能力が偏っている反面、時として、AD/HDをもつ子どもは、優れた独創性をもっている場合も多いのです。理解されないと、AD/HDをもつ子どもは、適切な評価をされることが少なく、無用な罰や不毛な叱責を繰り返し与えられることが多くなります。これでは得意な能力も発揮しにくいですし、自尊心がはぐくまれません。

 特徴として、AD/HDとLDは、併発が大変多いといわれています。早期に、その子どもの特徴をつかみ、得意な能力、あるいはサポートが必要な能力を見極めることが、その後の教育を効果的にします。

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広汎性発達障害
   (Pervasive Developmental Disorder:PDD)

 広汎性発達障害の主なものに、自閉症(Autism Disorder)とアスペルガー症候群(Asperger's Disorder)があります。両者とも、対人関係の困難、こだわりや、常同的で反復的な衒奇行動の問題、コミュニケーションの困難さを抱えます。
後者のアスペルガー症候群の場合は、著しい言語の遅れはなく、言葉を用いることができますが、周囲の人と感情的な共感を培いながら、コミュニケーションをとることは苦手です。

 PDDをもつ子どもの知能や能力は様々で、それぞれの子どもに適した教育プログラムが望まれます。それは、学習面だけではなく、社会で生きるための人とのかかわり方(ソーシャルスキル)にいたる生活全般に渡ります。

 他の発達障害においても言えることですが、特にPDDをもつ子どもの知覚は特別な感受性の場合が多いのです。標準的な人なら、気に留めないような些細な音が大変不快であったり、身体に触れる感覚が過敏で、洋服を身にまとっていることですら、辛い思いをしている場合があります。また、視覚的にも光に過敏であったり、また、見ている対象に関して、通常とは違った概念で捉えている可能性もあります。

 こうした子どもたちに潜在する個性的で豊かな感受性を発掘するためにも、また知覚的な不快からのストレスを理解してあげるためにも、早期に発達の特徴に気づく必要があります。

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